2005/02/05

国家企画大学構想 続編

昨夜、かつて私が所属していた研究所の所長の定年退職パーティーがあった。
その会場で、私の元直属上司(今は退職して大学教授)と現直属上司(数年前に中央官庁に出向していた)の話していることを横で聞いていたら、まさに私が昨夜ここに書いた、政策提言を大学から行うための枠組みがつくれないか、という話だった。
将来をどう予測するか、今起こっている現象をどうとらえるか、それに対してどういった政策を打つか、複数の案から実際に実施する政策を選択する基準はなにか、等々。その手段としてコンピューティング能力をフル活用し、個々の政策実施に対して社会がどう動くかシミュレーションする。
企業の場合は利益というわかりやすい評価尺度があるため、たとえあるプロジェクトを展開しようとしても、利益(損益)の出方次第で収束や撤収の判断ができるが、国家政策となると企業の利益に相当するような国家利益のような客観指標が立てにくいためフィードバックが難しく、さらに政策実施による既得権も発生し、矛盾を起こしつつもその政策実施が継続され発散してしまうことがある。最近問題として取り上げられている国家レベルの課題はみなこのケースではないか。
構造改革といっても、現状から別の状態に移行するだけではなくて、その移行の方向や移行の量、移行のシナリオ、移行のスケジュールはどのような根拠で決まり、どのような尺度で代替案との比較がなされているのか。このあたりをエンジニアリングするのが、国家企画大学の役割である。