2004/12/08

昭和20年以前の日本は特別だったのか?

山本七平氏の『私の中の日本軍(上下)』を通読した。
並行して、司馬遼太郎氏の『この国のかたち』も読み進めている。
司馬氏によると、昭和に入って終戦までの日本はそれ以外の時期の日本と比べると「異常」な状態であったとされている。司馬氏の文章を読んでいると、戦後はその「異常」な状態からそれ以前の日本で継承されてきていた「通常」の状態に戻ったかのような印象をうける。
一方、山本氏によると、日本人の基本的な考え方や行動パターンは戦後も変わっていないとされている。(この点をテーマにして議論しているのが、『日本はなぜ敗れるのか』である。)

日本人が行った行為、つまり表出された行動だけ取ってみれば、司馬氏の言うとおりなのかもしれないが、その根底となる思想や感情的反応などまで考えると、山本氏の言うとおりであろうと今は思っている。
考えるべき、そして行動に反映すべき、重大な課題であると思う。