2004/11/25

山本七平氏の本から感じたこと

さて、いよいよ所謂今日的ブログな内容を書いてみましょう。

山本七平という人の本を、最近よく読んでいる。

  • 日本ははぜ敗れるのか
  • 日本人とユダヤ人
  • 裕仁天皇の昭和史
  • 私の中の日本軍
この人の文章は、情報量が非常に多い。
論理展開も緻密(ステップバイステップを死守とでも言おうか)。
論理の飛躍というか、読んでいて「なんでここからそういえるの?」と感じることがほとんどない。
そのかわり、説明が非常に丁寧であるために、結論に達するまでの間に何の議論をしていたのか、
注意深く読んでいないと戸惑うこともある。(それは私の読解力の問題だが)

今は、上述リストの最後に書いた本の上巻を読んでいる。

彼は大学卒業後にすぐ徴兵されてフィリピンに行き、
一兵隊としてジャングル戦を生き抜いた。
ジャングル戦といっても、戦う相手は米軍ではなく、
ジャングルで生きるということ自体が主戦のようである。

私がいままで思っていた以上の想像を絶する経験だったようだ。
しかし、私のような戦争の実体験を何も持っていない人間が
「想像を絶する」なんて書くこと自体が、非常に彼ら(前線経験者)に対して失礼なことであるようだ。

私の祖父は昭和19年に中国で戦死している。
山本氏が書かれているように、歩兵の行軍は各人が兵器と食料をフル装備(たぶん20キロくらいある)で時速六キロで歩く(この速度だと走るになる)のだそうだから、足の不自由だった祖父は鼻からお荷物扱いされていたかもしれない。
隊内でのリンチ対象としてかなりつるし上げられたかも、などと想像してしまう。

そういった多くの祖父の世代の延長線上に、いまの我々の暮らしがある。